君との想い出が風に乗って消えても(長編)
僕は加恋ちゃんの方を見た。
「加恋ちゃん‼」
加恋ちゃんが倒れていた。
僕は、とっさのことでみんなの前で「加恋ちゃん」と呼んだような気がしたけど、そんなことを言っている場合ではない。
騒ぎを聞きつけて他の部活の顧問の先生たちも駆けつけて来てくれた。
そして先生たちが加恋ちゃんを保健室まで運んだ。
僕たち園芸部の部員たちもすごく心配していたけど、園芸部の顧問の先生が「みんなが心配する気持ちはわかるけど、今、みんなが保健室に行ったら混乱することになるから、保健室に様子を見に行くのは落ち着いてからにしなさい」と言った。
確かにそうだと思った。
僕は少し落ち着いてから保健室に行こうと思った。