君との想い出が風に乗って消えても(長編)
加恋ちゃんの唇に…………重ねてしまいました…………。
僕のファーストキス……それは保健室で眠っている美しい姫にこっそりとしたキスでした…………。
保健室を出た僕。
加恋ちゃん……。
僕の唇に加恋ちゃんの唇の感触が残っていた。
とてもやさしくてあたたかい……。
加恋ちゃんが眠っているときにこっそりとしたキス……。
僕は自分の気持ちが抑えられなくなっている自分に驚いた。
それと同時に罪悪感も感じていた。
眠っている加恋ちゃんにこっそりとキスをするなんて……。
しかも体調不良のときに……。
僕の頭の中は、加恋ちゃんにキスをすることができた幸せな気持ちと、加恋ちゃんが寝ているときに勝手にキスをしてしまった申し訳ない気持ちが混ざっていた。