君との想い出が風に乗って消えても(長編)
僕は、そんな気持ちを抱えたまま家に帰った。
自分の部屋に入り、着替えを済ませてベッドに横になった。
加恋ちゃんは知らないとはいえ、明日から僕はどういう顔で加恋ちゃんと顔を合わせればいいのだろう。
そんなことを思うくらいなら初めから加恋ちゃんにキスをしなければよかったじゃないかとも思ったのだけど、僕はあのとき、あの感情を抑えることはできなかった。
どうしても加恋ちゃんとキスがしたい。
そう思った。
そう思って僕は自分のありのままの気持ちを眠っている加恋ちゃんに……。
僕は、これからどう自分の気持ちをコントロールすればいいのかを考えた。
教室でみんなといるときは大丈夫。
ただ……加恋ちゃんと二人きりになったときは……。
僕は、そのときどのように自分の気持ちをコントロールすればいいのか、ちゃんとコントロールできるのか自信がなかった。
自信はないけど、今はそれを考えている場合ではない。
……加恋ちゃん……体調少しは良くなったかな……。
明日、学校に来ることはできるかな……。
加恋ちゃん……。
会いたい……加恋ちゃん……。
でも無理しないでほしい、ちゃんと良くなってから学校には来てほしい。
僕は、そう思いながら加恋ちゃんの体調が良くなることを願った。