君との想い出が風に乗って消えても(長編)
秘密の場所に行く道のり、加恋ちゃんと二人で歩くことができて僕はとても幸せな気持ちになった。
いつもは制服姿の加恋ちゃん。
今日、僕は初めて加恋ちゃんの私服姿を見た。
制服姿の加恋ちゃんもとてもかわいいけど、私服姿の加恋ちゃんもとてもかわいい。
僕は初めて私服姿の加恋ちゃんを見て新鮮な気持ちになった。
夏のやさしい風に包まれている加恋ちゃん。
夏の風が加恋ちゃんの髪と淡い水色のふわっとしたワンピースをやさしく揺らしている。
加恋ちゃん……。
美しい加恋ちゃん……。
加恋ちゃんはまるで天使のようだ。
そんな加恋ちゃんと一緒に歩いている僕は夢を見ているような気持ちになった。
今、こうして加恋ちゃんと一緒に歩いているのは実は夢……なのではないか……と。
もしかしたら夢かもしれない……。
もし夢だとしたら……。
僕は確認した。
「痛っ‼」
「え⁉ 優くん⁉ どうしたの⁉」
「う……ううん、なんでもない」