君との想い出が風に乗って消えても(長編)
「オンラインで加恋ちゃんと話をすることもできる」
「……優くん……」
「僕と加恋ちゃんの心が繋がっていれば、どこにいても大丈夫だよ」
だから……。
「だから……こっちにおいで、加恋ちゃん」
「……優くん……」
「何も心配しないで、僕が全部受け止める」
僕は変わった。
加恋ちゃんに出会うまでの僕は、こんなにも積極的に行動を起こすことができる人間ではなかった。
僕がこんなにも積極的になることができるようになったのは加恋ちゃんのおかげ。
加恋ちゃんが今まで軟弱だった僕を変えてくれた。
ありがとう、加恋ちゃん。
「……優くん……」
加恋ちゃんは、まだためらっている様子だった。
僕は、そんな加恋ちゃんに歩み寄り、加恋ちゃんの手をやさしく握った。
そして僕はそのまま加恋ちゃんを抱き寄せた。
「……優くん……」
「好きだ……加恋ちゃん……」
好きで好きで……加恋ちゃんのすべてを僕が独り占めしたい。
「……わたしも……わたしも優くんのことが好き……」
幸せ……。