君との想い出が風に乗って消えても(長編)
「今の……この幸せを大切にしたい」
加恋ちゃん……。
「今だけじゃない。ずっとずっと一緒に幸せになろう」
「……優くん……ありがとう……」
「僕は加恋ちゃんと一緒に幸せになりたいだけ。だからお礼なんていいよ」
「……優くん……」
「……でも……」
「……でも……?」
「僕の方こそ、ありがとう、加恋ちゃん」
加恋ちゃんにはお礼なんていいよと言ったけど、やっぱり僕も加恋ちゃんにお礼を言わずにはいられなかった。
「優くん」
僕と加恋ちゃんは、お互いお礼を言い合った後、抱きしめ合っているまま顔だけ少し離して、顔を見合わせて笑顔になった。
そしてその後、僕と加恋ちゃんは…………キス…………をした…………。