君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 そして、さっき待ち合わせた公園に着いた。


「加恋ちゃん、本当に大丈夫?」


「うん、大丈夫。ありがとう、優くん」


「本当に無理しないでね」


「ありがとう」


 加恋ちゃんは大丈夫と言ったけど、僕はやっぱり加恋ちゃんのことが心配だった。


「優くん」


 そんなとき加恋ちゃんが僕の名前を呼んだ。


「うん?」


「今日は本当にごめんね」


「いいよ、そんなこと」


「優くん」


「うん?」


「また会いたい」


 加恋ちゃん……。


「僕も会いたい」


 会いたくて会いたくてたまらない。


 でも今日のところは少しでも早く加恋ちゃんに休んでほしいと思い、そのまま解散した。




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