君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 家に着いて僕はすぐに自分の部屋に入った。



 自分の部屋に入ってすぐベッドに横になった。


 ベッドに横になったとき、僕は思い出していた。


 加恋ちゃんと……水を……口移し……したこと……。


 あのときは加恋ちゃんが体調不良でもうろうとしていて、なんとかしたくて必死で加恋ちゃんに水を口移しで飲ませたけど……。

 今こうして自分の部屋で一人、ベッドで横になっていると……。

 そのときの……加恋ちゃんに水を口移しで飲ませたそのことが……。

 そのことを思い出すと……胸の鼓動が高鳴りだす。

 胸の鼓動が高鳴りだして、今度は僕が別の意味で意識がもうろうとしてくる。



 僕がそう思ってぼーっとしていると、ドアをノックする音がした。

 ドアをノックしたのは妹だった。

 妹が「夕飯の時間だから、お母さんが下りてきなさいだって」ということだった。

 僕は妹に「すぐに行く」と言った。


 僕は部屋を出てダイニングルームへ向かう。


 そして夕飯を食べ終え、しばらくくつろいだ後、風呂に入り歯磨きを済ませて、今日のところはそのまま眠りについた。











< 92 / 261 >

この作品をシェア

pagetop