君との想い出が風に乗って消えても(長編)
家に着いて僕はすぐに自分の部屋に入った。
自分の部屋に入ってすぐベッドに横になった。
ベッドに横になったとき、僕は思い出していた。
加恋ちゃんと……水を……口移し……したこと……。
あのときは加恋ちゃんが体調不良でもうろうとしていて、なんとかしたくて必死で加恋ちゃんに水を口移しで飲ませたけど……。
今こうして自分の部屋で一人、ベッドで横になっていると……。
そのときの……加恋ちゃんに水を口移しで飲ませたそのことが……。
そのことを思い出すと……胸の鼓動が高鳴りだす。
胸の鼓動が高鳴りだして、今度は僕が別の意味で意識がもうろうとしてくる。
僕がそう思ってぼーっとしていると、ドアをノックする音がした。
ドアをノックしたのは妹だった。
妹が「夕飯の時間だから、お母さんが下りてきなさいだって」ということだった。
僕は妹に「すぐに行く」と言った。
僕は部屋を出てダイニングルームへ向かう。
そして夕飯を食べ終え、しばらくくつろいだ後、風呂に入り歯磨きを済ませて、今日のところはそのまま眠りについた。