恋の手札に参りゃんせ
京都には、受け継がれていく風習がたんとあります。
無言詣りもその一つで、お聞きしたことあらはるかもしれませんが、
言葉の通り、一つも口から物言わんと、誰とも顔を合わせんと、無言でお参りをする事です。
祇園祭のその頃に、八坂の神様が鴨川を渡って民衆の町に出掛けます。
御旅所ゆう場所に一週間おいやすのどすけど、
その期間だけ無言詣りは行われんのどす。
その風習は主に芸舞妓が、恋ならざる恋の成就に、御座敷の帰りに、夜な夜な詣ったことから始まります。
往復7回する決まりで、その時期に足早に下向いて歩いてる妓がいたら、そっとしておくのが、花街のルールどした。
たまあに、意地悪なお客さんから話しかけられて、振り出しに戻って、夜が明けることもあるとかないとか言います。
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