ピンクの箱


「今まで、ありがとな」




そんな『ありがとう』嬉しくない。



いらない…。



陸十は、私を置いて

歩き出した。




もう、私と一緒に歩む事のない道へと。




もう陸十と話すこともなくなる。


なら、最後だけ…


最後だからこそ、

私の名前を呼んで、終わらせたい。




「待って…!!」



私の言葉に彼は立ち止まった。



「最後のお願い…聞いてくれる?…」


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