激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
これで勘弁してもらえる?


「紬。今日の出勤、何時?」

「今日は十時です」

「俺も今日は直行で八時半に家を出ればいい。まだ時間がある」


なんの?


「この恰好、誘ってるだろ」


彼のシャツを借りたことなんてすっかり頭から飛んでいた。
しかも、一秒でも早く電話を入れなければと焦ったのでブラをつけてない。


「違いますよ?」
「違わない」


耳元でささやかれて体をピクッと震わせると、まんまと肉食動物の牙にかかることになった。



「それじゃあ、行ってくる。今日はちょっと遅くなるけど、部屋は自由に使っていいし、いつでも来て。カギはテーブルに置いておく」


太一さんは朝から激しい運動をしたのに、とんでもなく爽やかな顔で出ていった。

もう腰が立たない私は見送りに行くこともできず、布団にくるまったままだ。


「体力ありすぎ」


腹筋がパキパキに割れてたな。

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