激愛～一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい～
現在進行中の挙式の装花プランを練り始めると、西田さんが顔を出した。


「お疲れー。おっ、これ先日の打ち合わせの？」


彼は私が描いていたイラストを手にする。


「はい。色味を抑えてガチャガチャしないようにというリクエストですので、白い花をメインにあとは淡い色で統一しようかなと」

「うん、重森はセンスがあるな」

「ありがとうございます」


フローリストとしての腕前を認められている彼に褒められるのは素直にうれしい。


「うん。でも自分の好みだけを押しつけてきて、これはよくないと文句をつけてくる人もいるんだよなぁ。ひとりだけの意見を取り上げていたらきりがないのに」


そういえば、先日彼が担当した挙式の装花がそうだった。

私は手伝いで行ったのだが、新郎新婦には『最高です』とお褒めの言葉をあずかったものの、親族の年配の方に『こんな地味な花にいくら取るのよ？』となじられた。

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