激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
おはようのキスくらいさせてくれ。

尋ねると、これまた控えめにうなずく彼女の唇をすぐに奪った。

舌を入れたくてたまらなかったがそこもぐっとこらえる。
結婚前に嫌われて、婚約解消なんて笑えない。


「来てくれたんだね」

「ごめんなさい。仮眠するつもりが朝まで寝ちゃった」


謝らなくていいのに。
俺の腕の中に紬がいるだけで十分だ。

まあ、できれば抱きたいけど。


「引っ越し、早く済ませよう。俺、昨日みたいに帰りが日をまたぐこともあるし、会社に泊まりなのも珍しくない。せっかく来てもらったのに会えないなんて悪いし」

「そんなことは気にしなくても……」

「俺が耐えられないんだよ。紬の存在を感じるのに、こうやって抱きしめられないなんて、無理」


もう一度強く抱きしめたが、彼女はもう抵抗しなかった。



それから、紬が用意してくれた朝食をふたりでとった。


「今週末、仕事?」
< 153 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop