激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「あはは。お兄ちゃんもデレるんだね。なんか安心した。お兄ちゃん、小さい頃から会社を背負うためにだけ生きてきたようなところがあるでしょ? だから結婚もビジネスライクに会社のための損得とか考えてするのかなって思ってたけど、フローリストを選ぶなんてびっくり」

「そうか?」


加代は笑顔で大きくうなずく。


「うん。でも重森さんに会ってよくわかった。そりゃ惚れるわ。女の私から見ても素敵な人だもん。お兄ちゃん、意外と見る目あるんだ」

「意外は余計だ」


よかった。
またこうして兄妹としての会話ができる。

それも全部紬のおかげ。


「それでどうやってプロポーズしたの?」
「それは秘密」
「えー。今度重森さんに聞こう」
「やめろ」


恥ずかしいだろ。

ムキになってくぎを刺すと、加代は肩を大きく揺らして楽しそうに笑い声をあげた。
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