激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
幸せのエンゲージリング
加代さんと会ったあと引っ越しを済ませた私は、太一さんのマンションで新しい生活を始めている。

双方の実家にあいさつに行くためにスケジュールをやりくりして、ゴールデンウィーク中に私の実家に訪問した。

両親は諸手を挙げて大賛成。

結婚の素振りがなかった娘が、とんでもない優良物件を連れてきたと腰を抜かしていたが、私自身もまだ夢見心地だ。


両親に結婚を許されて一安心したものの、太一さんの実家へのあいさつはまだできていない。

ゴールデンウィークはヨーロッパに旅行中で面会が叶わず、先延ばしになってしまった。


休みが明けた木曜は十時からの勤務で、店に行くと西田さんが女性のお客さまの接客中だった。


「重森、いいところに来た。お祝いの花束頼める? 予算三千円で、花はお任せ」

「わかりました」


私は早速エプロンをつけて作業に入った。


「あなたきれいに咲いてるね。お嫁に行こうか」
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