激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「え! どうしてすぐに教えてくれなかったんですか!? おめでとうございます」


喜ばしいことなのに、なにを悶々としているの? 


「うん……。わかったときはメチャクチャうれしかったんだけど、喜びのあとに不安が来たっていうか。俺が父親なんて大丈夫か?って」


男性版のマタニティブルーのようなものがあるのかどうか知らないが、そんな感じなのかな。


「大丈夫に決まってるじゃないですか。だって西田さんですよ? このじゃじゃ馬に装花を指導してフローリストに育ててくれたんですよ? 子育てには定評があります」

「なんだそれ」


ようやく彼の表情が緩んだ。


「それに、私の彼みたいな人ととおっしゃいますけど、奥さんを他の男(ひと)に渡してもいいんですか?」

「ダメだろ、それは」


即答されて私がにやける。


「そういうことです。西田さん、自信を持って!」

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