激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「よかった。俺、よき夫になれるか心配だったんだよ。帰りは遅いし、家事も得意じゃないし」


そんな心配をしていたとは知らなかった。

西田さんといい、太一さんといい、はたから見ていると完璧な人たちなのに、皆それぞれ不安があるものなんだな。

私と同じだ。


「わかっていて結婚を決めましたから。そんなことを言われたら、私が心配になるじゃないですか。仕事、続けさせてもらいますし」


どちらかというと、私がよき妻でいられるのか不安だ。


「そんなの当然だろ。紬から花を取り上げる度胸はないよ」

「あははは。でも、男の人も意外と皆悩むものなんですね」


ポロリと漏らすと、彼の眉が上がる。


「皆? 誰のこと?」


鋭い突っ込みにタジタジになる。
彼がちょっと不機嫌なのは、嫉妬というものだろうか。


「実は西田さんにお子さんができて――」
< 186 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop