激愛～一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい～

「宝生さんの奥さまなら、もう少しきちんとした身なりをされたほうがいいと思いますよ。ここを訪ねてこられるお客さまは、それなりのステータスの方ばかりですし、近所に買い物に行くような姿でうろうろされては、会社に傷がつきます」

「申し訳ありません。今後気をつけます」


辛辣な言葉ではあるが、その通りだ。
私は素直に反省して首を垂れた。


「宝生さんにはがっかりです。大手企業の重役の娘さんとか、由緒正しき政治家一家の娘さんとか、今まで何度も見合い話が持ち上がっていたのに、あなたみたいな人に引っかかるなんて。どんな手を使ったんですか？」


他に見合い話があったとは初耳だ。
けれども、引っかかるとは少しばかり失礼ではないだろうか。

私が彼をだまして結婚を勝ち取ったかのような言い方に、気分が沈む。


「私はなにもしてません。彼が見つけてくれただけです」


事実を述べたが、彼女は冷笑している。