激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「まあ、言い返すなんて。奥ゆかしさの欠片もないんですね。思った通りの人だわ」


さげすまれても、作り笑いを浮かべて頭を下げるのが正解だったの?

もやもやするが、これ以上反論して太一さんに迷惑がかかってはいけないと思い、口を閉ざした。


「宝生さんもそのうちお気づきになるでしょうね。彼は大きな会社を背負うんですから、そのパートナーがあなたではどう考えても力不足です。宝生さんがお付き合いをされているアッパークラスの方たちの奥さまは、幼少の頃からご立派な教育を受けられている人ばかりですよ。話も合わないでしょうね」


あぁ、この人とは意見が交わることはなさそうだ。
議論してもケンカになるだけ。


おそらく、私が良家の家の出でもなければ、彼女のようなエリートでもないことをバカにしているのだから、今さらどうにもならない。

そもそも価値観が違いすぎる。

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