激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
太一さん、彼女と一緒に仕事をしていて疲れないのかな。

他人の弱みや劣っている点を指摘することで自分の幸せを確認する人がしばしばいるが、身近な存在だと疲れそうだ。


「やっぱり、花が一番か」


フローリスト仲間にはそんな心の狭い人はいないし、花に囲まれて生活していると、心もギスギスせずに済む。


「料理って……」


太一さんからはパーティについてなにも聞かされていないが、きっと忙しくて忘れているのだろう。

料理は嫌いではないけれど、上流階級の人はなにを好むのだろう。
さっぱりわからない。

私は駅前の書店に飛び込んで、料理本を何冊か購入してから家路についた。



その日は、午前二時過ぎに太一さんが帰宅した。

彼はシャワーを浴びるとベッドに飛び込みすぐに眠りに落ちた。
忙しい時期は一分でも多く睡眠を確保しないと体が持たないのだ。


目が覚めてしまった私は、彼の寝顔をまじまじと見つめる。

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