激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「おはよ。ごめん、昨日すぐに寝ちゃったな」
「疲れてるから仕方ないですよ」
彼が大好きなシジミの味噌汁のお椀を準備していると、うしろからフワッと抱きしめられて首筋にキスをされる。
こうしたスキンシップがうれしくもあり、まだまだ照れくさい。
「でも、紬がいてくれるから元気が出る」
それはお世辞でもうれしい。
「今度休みが合ったら、デートしようか」
「本当ですか?」
一気にテンションが上がった私は、おたまを持ったまま振り向いた。
すると彼は笑いをかみ殺している。
あーあ、こういうところがいけないんだろうな。
良家のお嬢さまはもっとおしとやかなのだろう。
加代さんも、食事の所作はとても美しい。
私、大沼さんの言葉に心の中で思いきり反発したくせして、気にしているんだ。
「ごめんなさい」
「なんで謝る? お前の仕草は全部かわいい。それに、俺とデートしたいと思ってくれたんだろ?」