激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
運転をする彼に合わせて炭酸水でいいと固辞したのに、「いいから」と頼んでくれたシャンパンは、珍しいロゼ。

フルーティな香りが漂い、まろやかな口当たりで飲みやすい。


「えっ! それじゃあすごーくお高いんじゃ?」

「まあ高くないとは言えないけど、紬にはふさわしいよ」


どうして? あなたとは違うのよ?


「私は庶民ですから」

「バカだな。金なんてその気になればいくらでも稼げる」


その気になってもそれほど稼げませんが?

しかし、コツコツ努力を重ねて信頼を得てきただろう彼らしい発言だと納得した。


「でも、紬が持つ清らかな心や人としての器の大きさは、簡単には手に入らないんだぞ」

「過大評価しないでください」

「正当な評価だろ。この俺が夢中なんだから」


冗談かと思いきや、彼は私に真摯な視線を注ぐ。
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