激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「それは頑張らないと」

「もうすぐいらっしゃると思うから、控室で待っててください。これ、希望リストです」

「はい」


彼女はお客さまから聞き出した希望が書き込まれたた資料を手渡して出ていった。

ローズパレスは、私たち出入りの業者にも丁寧な扱いをしてくれる。

下請けだからとぞんざいに扱う会社もあるが、私たちをお客さまの最高の一日を演出する同志と考えてくれるのがありがたい。


しばらくして呼ばれた私は、梓さんと一緒に接客ブースに向かう。

すると私と同じ歳くらいに見える、目がクリクリしたかわいらしい女性がひとりで待っていた。


「初めまして。フローリストの重森と申します。山村(やまむら)さまのご希望を全力で形にいたしますので、なんなりとお申し付けください」


あいさつをして名刺を差し出す。

こうした打ち合わせには新郎も同席することが多いが、仕事の都合で来られないこともある。
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