激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
彼女が好む花を探り、白のバラをメインとして差し色に淡いオレンジの花を使おうと思い描いていた。
「それでは、次回までにメインテーブルとゲストテーブル、それぞれのイラストを描いてまいります。実際に使うお花の写真も用意してまいりますので、そちらを参考にしていただいて気に入らなければ変更も可能です」
私たちにしてみれば数時間だけ飾られる花でも、新郎新婦にとっては一生の思い出となる。
必ずいいものにすると意気込みは十分だった。
「次は彼も来てくれると思います」
「楽しみにしております」
彼女の表情が最初より柔らかくなっていてホッとした。
打ち合わせが無事に済んだあとは、宮城グループの花を交換に向かった。
今日は重役フロアの廊下の花を取り換えて、そのほかは水を入れ換え持ちをよくするために茎の水切りをする予定だ。
廊下で作業を始めると、太一さんの声が聞こえた気がして顔を向ける。