激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「そうですよね。皆さんあまりご存じありません。こちらは、このがくの中心の色が濃く、グラデーション状に薄くなっていくのが特徴の〝万華鏡〟という品種になります」

「へぇ、勉強になるな」


副社長が花の勉強をする必要はないけれど、興味を持ってもらえるのはうれしい。


「宝生さん。その〝俺の自慢の妻〟っていう顔、なかなかいいね」


太一さんに視線を送った宮城副社長がニヤリと笑えば、太一さんは瞬きを繰り返している。


「そんな顔してませんよ?」

「そう? しゃべりたいな。宝生さんがどれだけ奥さんにべた惚れだったか」

「やめてください!」


こんなに慌てている太一さんを見たのは初めてだった。

でも、副社長まで太一さんの気持ちを知っていたの?


「遅くなりましたが、ご結婚おめでとうございます。宝生さんなら間違いないですよ。長い付き合いの私が保証します」

「ありがとう、ございます」

「あぁ、もう。会議に遅れます」

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