激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
彼に促されて仕方なくレンタル店の住所を告げると、早速タクシーは発車した。


「あのっ、どうして私とお見合いを? 宝生さんなら、お付き合いしたいという女性はたくさんいると思いますけど」


このままでは付き合うことにされそうなので、思いきって尋ねる。


「いるかもしれないけど、重森さんは自分が好きな人と結婚したくはないですか?」


「そりゃあ、そうですけど」とありきたりな返事をしたものの、その〝好きな人〟が私だと言いたいの?


「重森さんと出会ってから、あなたのことばかり考えているんです。だから店長にお見合いのセッティングをお願いしました。今日話してみて、ますます気になる存在になったんです」


私のことばかり考える?

びっくりする言葉が次々と飛び出してくるので、目を丸くする。


「でも、ご覧の通りじゃじゃ馬で、宝生さんのお相手にふさわしいとはとても……」

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