激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「それじゃあ、私にふさわしい相手って、どんな人だと思います?」


逆に問われてしばらく考えてから口を開いた。


「もっときれいな方で」
「重森さんはきれいじゃないですか」


私に視線を向ける彼が真剣な表情をするから、ドクッと心臓が跳ねる。


「そんな……。あとは、もっと由緒正しき家柄のお嬢さまとか」

「それは生まれた場所の問題で、その人の魅力とは別のものだ。私は重視しません」

「でも、宝生さんは大きな会社の後継ぎなんですよ? 同じようなステータスの女性がいいのでは?」


お手伝いさんに身の回りの世話をしてもらい、口に入れるものは今日の料亭の料理のように一流品ばかり。

宝生さんはそうした環境で暮らしてきたのではないだろうか。

ごく平凡な家庭で育った私は、それとは程遠い場所にいる。

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