激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
それに、どこに出ても恥ずかしくないような礼儀作法を身につけているような人でないと、彼が困るのでは?


「後継ぎなのは事実ですが、それもたまたまその家に生まれただけ。ステータスって……。それじゃあ、重森さんは自分と同じような生活環境の人から選んで好きになるんですか?」
「いえ」


さすがは頭脳を売って稼ぐ人だ。
なにも言い返せない。


「宝生さんは、どんな人を好きになるんですか?」


苦し紛れの質問に、彼は少し口角を上げてから口を開く。


「何事にも一生懸命で輝いている人。一緒にいて楽しい人。自分も頑張ろうと思うような影響を与えてくれる人」


すらすらとよどむことなく答えた彼は、膝の上に置いていた私の手をそっと握る。
そして、熱い眼差しを私に注ぎながら続けた。


「つまり、重森さん」


ダメだ。衝撃すぎて息の吸い方がわからない。


「聞いてます?」
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