激愛～一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい～
俺の妻は極上の女　Ｓｉｄｅ太一
紬から電話をもらったあと次の会議に入ったが、心配で彼女の顔が頭にちらついた。

でも、自分の意見をしっかり持っている彼女のことだ。

誠心誠意相手の女性とぶつかって理解してもらうはずだと思ったら、その後は仕事に没頭できた。


俺の妻はそういう女なんだ。

優しすぎるがゆえ、彼女自身が傷つくことがあるので支えてやらなければと思うときもあるが、難題を自分の力で乗り越えていく力を持っている。

それも強い信念を持ち、間違っている事例から決して目をそらさないという、一本筋が通ったような生き方をしているからに違いない。


とはいえ、どうなったか気になる俺は仕事を巻きに巻き、いつもより早めの二十時に帰宅した。


「ただいま」
「おかえりなさい。早かったですね」


よかった、いつもの紬だ。


「早くてうれしい？」
「えへへ」


まずい。このはにかみ、かわいすぎるだろ。

話を聞きたいのに、理性が崩壊しそうで慌てて自分を戒めた。
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