激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
俺がコーンスープに手を伸ばすと、彼女はフォークを置いて話し始めた。


「今日はごめんなさい」

「いや、全然。頼ってくれてうれしかったよ」


それは本当だ。紬は忙しくしている俺に負担をかけまいとしているのだろうけど、俺は経営コンサルタントである前に彼女の夫だ。

悩みは共有して、ふたりで乗り越えていきたい。


「誤解も解けて、お相手の生島さんも前に進んでくださるんじゃないかと思います」

「そっか。さすがだな、紬は」

「私はなにもしてないですよ」


どんな話をしたのかはわからないが、おそらく素直に自分の意見をぶつけたのだろう。

婚約者がいるのに過去の女を呼び出すなんて、まったく理解できない。
紬も生島さんも、勝手な男に振り回されたのだ。

俺たちがとやかく言えることではないが、婚約破棄にすべきだと感じる。

ひとりの女に愛を注げないヤツに結婚する資格なんてない。
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