激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「申し訳ありません。私の不注意で着物を汚してしまいました。クリーニング代が別途必要であればお支払いしますし、買取りでも構いません」


なに言ってるの? 
私の失態なのだから、クリーニング代が必要なら私が払う。
買取りはちょっと厳しいけれど。


「ご丁寧にありがとうございます。クリーニングはこちらでいたしますし、お代もいただいております。なにもおっしゃらずに返却される方が多いのに、助かります」

「彼女がとても優しい性格で、ずっと気にしていまして」


私のことをそんなふうに話す宝生さんを見つめると、柔らかい笑みを向けられて妙に照れくさい。


「ご心配なく。それではお着替えを。こちらです」


しまった!

このレンタルショップでは着付けもしてもらえるので、朝、ここで着替えていったのだが、まずいことに気がついた。

量販店のセーターにジーンズという、かなりカジュアルな服装で来たのだ。
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