激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
何度彼女の名前を呼んでも呼び足りない。
もっともっと俺だけのものだとわからせてくれ。


「太一さん、恥ずかしいですって」
「ダメ。手、どかして?」


必死に自分の体を隠そうとする彼女の手をはがして、壁に押しつけて拘束する。


「ん……」


そして唇を重ねると、途端にこわばっていた体から力が抜けて、女の顔つきになった。


「なあ、紬。結婚式、挙げよう」

「式?」

「あぁ、待たせて悪かった。日程が整いそうなんだ。紬の誕生日、祝日だろ?」


彼女の誕生日は九月二十三日の秋分の日。

その日になんとしてもと仕事や招待客の調整を繰り返し、ようやく目処がついた。


「ほんとに?」

「うん。紬、仕事休める? そのあと新婚旅行にも行こう」

「いいの?」

「もちろん」


挙式も新婚旅行も早く実現したかっただろうに、忙しい俺に遠慮していたはずだ。

そんな彼女をうんと喜ばせたい。


「ハネムーンベビー、頑張る?」
「……うん」
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