激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
挙式は彼女が信頼を寄せるプランナーのいるローズパレスで行うが、披露宴会場が手狭で、ホテル・アルカンシエルの一番大きな宴会場に移動して開くことに決まった。


「親族だけでできればよかったんだけど、ごめんな」


来年には太平物産に入ることが決定していて、次期社長としてのお披露目のような場でもあるので、どうしてもビジネスが絡む。

そのため彼女やご両親には申し訳ないと思っている。


「太一さんが謝る必要はないんですけど、ドレスの裾を踏んで転んだらどうしようとか考えてしまって」

「あはは」


そんな心配をしているのか。


「だとしてもそれが紬じゃないか」

「ちょっ、一生に一度の晴れ舞台なんですから、変なフラグを立てないでください!」

「言いだしたのは紬だろ?」


彼女と一緒にいると、こんな些細な会話も楽しくてたまらない。


宮城さんがことあるごとに『結婚っていいだろ?』と俺に聞いてくるが、うなずくしかない。
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