激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
初めて一緒に洋服を買いに行ったのが偶然にもそのショップだったが、紬は以前からあこがれていて、ここのドレスを着たいと思っていたとか。

倹約家の彼女は当然のようにレンタルで探していたものの、彼女のためだけにあつらえた純白のドレスを纏った姿を拝みたいという俺のわがままを押し通した。


おまけに和装も希望してある。
って、俺のための挙式になっていないか心配になってきた。


「紬、ちっともお金使わないからなあ。こういうときはうんと奮発すればいいんだよ」


彼女に生活費としてカードを渡してあるが、食費や日用品のほかは、花束くらいしか買っていないようだ。

その花束も、ル・ブルジョンで廃棄になる前のものをかわいそうだからと格安で購入してくるので大した額ではない。

しかも、いつも部屋に花がある生活に癒されているのは俺のほうなので、彼女自身への投資はほぼしていないと言っていい。


洋服でもなんでも好きなものを買えばいいのにと思うが、学生時代の俺と同じなのかもしれないと感じている。

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