激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「私たちはお客さまの夢を現実にするのが仕事だけど、経験上それはよくないと思うこともあるじゃない? うちの若いスタッフは、お客さまを怒らせるのが怖くて言わずに受け入れちゃうのよね。でも、重森さんは変更したほうがいいと思ったらきちんと説明して納得していただくでしょ?」


たしかにそれはある。

装花は会場やドレスなどとのバランスがとても重要なので、どうしても合わないと感じるときは写真で具体例を示しながら説明して、変更していただく。


「それって結局、お客さまのためじゃない。私も失敗しそうだと思ってるのに『いいですね』なんて絶対にごまかさないの。それがプロだと思ってる。うちのスタッフは何度注意してもできないんだけど、重森さんは最初から自然とできてた。自分の仕事に誇りを持っている素敵な人だなと」


仕事に誇りを……。
一番うれしい言葉かもしれない。

フローリストを続けてきてよかった。
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