激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
「はい。かわいそうですが。私が買い取って家に飾ってあげようと思います」


枯れてしまうまでは面倒を見てあげたい。


「おいくらですか?」


彼の質問の意図がわからず、首を傾げる。


「その花、私が買い取ります」
「そんなことまでしていただかなくても!」


驚きすぎて声が大きくなった。


「えぇっと、重森さんが大切に思っている花たちに興味が湧きました。花を飾ったことはないのですが、家にあってもいいなと思いまして」


彼は私の胸元のネームプレートを確認してからそう言った。


「部屋に植物がある生活はいいですよ。仕事から帰ったときにふわんと漂う香りに癒されて、そのあとは色とりどりの花たちを視覚で楽しんで。昨日までつぼみだった花が咲いたときなんて、もう!」


花のことになるとどうもテンションが上がってしまう。


「あっ、ごめんなさい」

「いえ。重森さんの表情を見ていたら、それがどんなに素晴らしい経験かわかる気がします。ますます買い取りたくなりました」


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