激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
真っ黒に焦げた心 Side太一
重森さんと出会ってから一カ月。
彼女が作ってくれた花束は、残念ながら枯れてしまった。
板垣さんの行為はあまりに大人げなく――というより完全に八つ当たりで、唇を噛みしめて我慢していた彼女を見たとき、板垣さんを突き飛ばしてやりたいと思うほどだった。
しかし、俺が抗議する前に彼女の反論。
『この花たちは、この空間を飾るためにここにあるんです。あなたに踏まれるためじゃない』という言葉にはしびれて、完全に心を持っていかれた。
俺は重森さんへの侮辱に対して怒っていたが、彼女は花に乱暴を働いたことに腹を立てていたのだ。
あの会社にはいつも出入りしているので、熱心に花を生けている彼女の様子を何度か見かけたことがある。
身長もさほど高くなく華奢でかわいらしい女性という印象だった。
だから、板垣さんに花を踏みつけられて泣いてしまうのではと心配したが、あんなに堂々と言い返せる人だとは。
彼女が作ってくれた花束は、残念ながら枯れてしまった。
板垣さんの行為はあまりに大人げなく――というより完全に八つ当たりで、唇を噛みしめて我慢していた彼女を見たとき、板垣さんを突き飛ばしてやりたいと思うほどだった。
しかし、俺が抗議する前に彼女の反論。
『この花たちは、この空間を飾るためにここにあるんです。あなたに踏まれるためじゃない』という言葉にはしびれて、完全に心を持っていかれた。
俺は重森さんへの侮辱に対して怒っていたが、彼女は花に乱暴を働いたことに腹を立てていたのだ。
あの会社にはいつも出入りしているので、熱心に花を生けている彼女の様子を何度か見かけたことがある。
身長もさほど高くなく華奢でかわいらしい女性という印象だった。
だから、板垣さんに花を踏みつけられて泣いてしまうのではと心配したが、あんなに堂々と言い返せる人だとは。