激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
驚いたと同時に感心したし、まるで大切な友人のように花を想っているとわかって、なんて優しい人なんだと思った。



その出来事の翌日。

なんと板垣さんに取引停止にされてしまったことを知り、俺は別のクライアントにすぐに電話を入れた。

その相手、宮城グループの宮城専務は三十歳になった俺より五つ年上で、近く副社長への就任が決まっている。

俺がまだ駆け出しのコンサルタントの頃からの付き合いで、俺を信頼してまさに共同経営者のように扱ってくれる、かなりの切れ者だ。


以前、自社ビルの清掃などの管理会社が定まらなくて、いいところがあったら教えてほしいと言われていたことを思い出し、宮城さんに、ル・ブルジョンとの取引を打診したのだ。


彼は『宝生さんの推薦ならもちろん受けなければ』とふたつ返事で、すぐに関連部署に許可を取り、店に電話を入れるように伝言してくれた。

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