激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
余裕ないな……。

仕事ではどんなピンチに直面しても焦らず対処できるようになった。
それなのに、重森さんには振り回され通しだ。

絶対に彼女を逃したくない俺は、わざと形式ばったお見合いを企てて、簡単には断れない状況を作ろうと考えた。

なんて姑息なんだ。
自分でもこんな小細工をするとは呆れる。


でも、彼女だけは他の男に渡したくない。

こんな強い気持ちを抱いたのは初めてで、自分でも戸惑っていた。


そして、俺だと聞いて断られないように、見合い相手については当日まで秘密にしてほしいと頼み込んだ。



そして見合い当日。
なんと彼女は着物を着て姿を現した。

すごくきれいだ……。

板垣さんに啖呵を切った面影はどこにもなく、少し恥ずかしそうにしているのが新鮮で、抱きしめたい衝動を抑えるのに必死にならなければならなかった。


俺って、こんなに恋愛にのめり込むタイプだったか?

今までは彼女がいても仕事優先で、何カ月も連絡がなくても平気だったし俺からもしなかった。

その結果、相手に他の男ができることもしばしばだったが、仕方ないとあっさり別れて特に深追いした経験もない。
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