激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
バラの花束は誰に?
お見合いに行ったら宝生さんがいて、腰が抜けそうだった。
気になっていた彼に再会できたときはテンションも上がったが、とんでもない雲の上の人だと知り完全に尻込みした。
しかし、お見合いから一週間。
連絡ひとつないとちょっとさみしい。
なんて勝手なんだろう、私。
あきれつつも、スマホの画面を見てため息をついた。
「連絡くらい……ねぇ」
会えなくても、電話くらいはできそうなのに。
もし彼が本気ならばの話だけど。
やはり、連絡先を聞いてきたのは社交辞令で、お眼鏡にも適わなかったというところか。
「仕事しよ」
フローリストになってから仕事に没頭するあまり、付き合っていた彼氏にあきれられて、花のことしかわからない〝欠陥人間〟という称号までいただいた。
その彼と別れて以来ずっとフリー。