守られて、愛されて。
* * *
「武智は何しに来たんだ? 」
「美唯ちゃんのご飯食べに来た」
え……? う、嘘でしょ!?
郁萌くんはいいけど私は初対面なのに……気まづいし、どうすればいいかわからないんだけど。
「は? なんで美唯なんだよ。」
「いいじゃん、初デートだしここで食った方が花奈ちゃんも緊張ほぐれるかなぁって」
いやいや、郁萌さん逆に緊張するよ……
「麗央も武智くんも言い合いはやめてよ、花奈ちゃんが戸惑ってるでしょ? 」
「あ、ごめんね花奈」
「ごめん……」
美唯さんが言うと麗央さんはシュンと落ち込み、郁萌さんは謝った。
「ご飯作るのは私はいいよ、何がいい? 花奈ちゃんはアレルギーとかある? 」
「え、いや…! 何にもないです」
「了解……ちょっとだけ、お話してて」
もうスマホの時間は十九時を指していた。
「美唯、手伝うことある? 」
「手伝ってくれるの? 珍しい〜じゃあこれ切って」
美唯さんは、すぐに可愛いエプロンをしてキッチンに立つと麗央さんに的確に指示を出していた。