守られて、愛されて。
好きになるということ。


あれから一ヶ月─︎─︎─︎私はまだ、答えが出せないままだった。

『最初はルームシェアみたいな関係でいいんだ、徐々に慣れてもらえれば』

そう言っていた郁萌さんは、週三のペースで食事に誘ってくれるし毎日のようにLINEをくれる。たまに電話もくれる。
最初の電話はすごく緊張して、会っている時とは違う気がしてドキドキしたのを覚えている。

「上条さん……? 手が止まってるけど」

「えっ、えぇ!? あ、ごめんなさい!!」

ボーっとしてた……。仕事、ちゃんとしないと。

「体調悪い? 早退する?」

「い、いや……大丈夫です!」

「そう? ならいいけど……専務が呼んでたよ」

郁萌さんが? なんの用だろうか。
私のいる四階から六階まで上がり、秘書課のオフィスを通り過ぎてから専務室に向かう。

急用なのかな……? 用事がある時は下に降りてくるのに、そんなに忙しいのかな。






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