守られて、愛されて。
その後、ご両親は「また連絡する」と言うと帰っていった。
「はぁ〜〜やっと二人きりだ」
玄関なのに郁萌さんは後ろからぎゅっと抱きしめる。
「い、郁萌さんっ……は、離れてください」
「やだ」
「な、なんでですか!? 」
「花奈からキスしてくれる? キスしてくれるなら離れるよ」
な、何を言っているの……心臓がいくらあっても足らないよっ
でも、離れるためなら……そうだ、上手く逃げればいいんだ。
「しっ、しますっ……き、キスしますから……は、離れてください」
「本当に? じゃあ……」
彼が少し離れた隙に……と思ったのに、
「花奈、バレバレだよ……キスしてくれるんだよね?」
「え、えっと〜…あの、私っ」
あぁ、しまった……するって言うんじゃなかった。もうこうなったら、キスしてしまおうか。
意を決して、彼の唇に軽く重ねる。
「…おれ、それじゃあ足りないよ」
「え……んんっ」
彼は私のキスを上書きするかのようにキスにキスを重ねる。とろけてしまいそう。
「花奈……ベッド行こ。」
彼の色っぽい声に思わず頷いてしまい、その後は郁萌さんに溺れてしまいそうになるくらい愛された。
「花奈、愛してる……」
少し掠れた彼の声を聞いて……寝てしまった。