守られて、愛されて。
お見合い相手
「この書類チェックお願い出来る? 」
それから数日、武智さんからのLINEは毎日のように来る。
お見合いが終わった後家に帰ってから、【今日はありがとう、これからもよろしくね】と連絡が入っていて驚いたことを覚えている。女子社員の言う通り、誠実な人なんだなと思った。
「はい、分かりまし……た」
武智さんは、笑顔で書類を置いてエレベーターエリアに行ってしまった。
「上条さんだけずるーい!! 郁萌さんと同等に話せるなんて、令嬢だかなんだか知らないけどさ〜」
「本当に生意気〜〜!!家が金持ちだからって」
好きで令嬢やってないし、別に同等に話していたわけじゃない。今のは、仕事のやりとりで会話になってはいない。
やっぱり、武智さんは人気者だ……ん?
《お昼、一緒に食べよう。A4会議室で待ってる。》
そこは重役しか入れない会議室じゃないの? 私が行ってもいいのだろうか。
─︎─︎─︎いけない、いけない。今は仕事しなくちゃ……。