守られて、愛されて。


─︎─︎─︎あれからまたまた数日たった休日。
昨日の夜、郁萌さんからお出かけのお誘いを受け待ち合わせの駅前に来ていた。

「お待たせ、花奈ちゃん。」

「いえ……待ってないです、今来たところなので」

郁萌さんは、会社でのグレーのスーツとは違いホワイトのバンドカラーシャツに黒スキニーパンツ、ネイビーのジャケットを着てやってきた。
普通の格好なのに彼が着るとオシャレに見える。

一方で私は、パステルピンクの五分袖花柄ワンピース。似合わないんじゃないかと不安でしかない。

「じゃあ、行こうか……どこか行きたいところある? 」

「いえ……」

「じゃあ、今日は連れ回していいかな? 」

え、連れ回し……え? 

「行こう! 行きたい場所あったら、遠慮なく言って」

郁萌さんは少年のように笑うと、私と手を繋ぐと歩き出した。
郁萌さんに連れられてやってきた駅の隣にある商業施設で私は、宣言通り連れ回された。



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