守られて、愛されて。

お昼ごはんは、郁萌さんの好きだというドリアのお店に入った。

「花奈ちゃん、勝手に決めちゃってごめんね」

「私も好きなので嬉しいです……郁萌さんもこういうお店来るんですね」

注文したトマト丸ごとトマトクリームドリアを口に運ぶ。トマトの酸味がたまらない……とても美味しい。

「普通に来るよ俺、高級料理店とか好きじゃないんだよね……花奈ちゃんはそういうとこ行きたかった? 」

「いえ、私も高級料理店は好きじゃないです……というか行ったことないです、姉と弟は行ってるかもですが」

「え? 」

おかしいよね、私は行かなくて姉弟は行ってるって……。

「私のこと、聞いてないですか? 」

「何を? 」

「私は…… ─︎─︎いや、なんでもないです」

もう全て言ってしまおうかと思ったけど、もし言って彼に嫌われて破談になったら……私は生きていけない。会社も辞めなくてはいけない。

「花奈ちゃんそんな辛そうな顔しないで……そうだ、夜は空いてる?」

「え、空いてます……でも」

「ちょっと晩飯も付き合ってよ、ね? 」

今お昼ごはん食べてるのにもう夜ご飯の話……? 食べるのすきなんだなぁ。





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