僕からの溺愛特等席
いそがしい宴
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空腹にビールは良くないと聞くが、乾杯の合図が鳴ればまず初めは、ごくごく飲みたい。
久しぶりに参加した飲み会は、華ちゃん、主任、あとは昼で帰った佐原さんの三人だった。
隣でビールを煽る華ちゃんは、ほんのり顔が赤くなっている。
私も疲れた日は飲みすぎる傾向にある。
それは自覚しているのだけれど、仕事終わりのビールはやっぱり美味しくて、ジョッキを持つ手は止まらない。
飲み会が始まって一時間と少しが経った頃。既にビール二杯と、酎ハイ二杯を飲んでいた。
「野間さん大丈夫? ペース早いよ」
向かいに座った佐原さんが心配そうにこちらを見る。
私はこくこくと頷く。
「……うん。大丈夫」
「もう、三春ちゃん。タメ口になっちゃってるし酔ってるよ」
華ちゃんが私の手からジョッキを奪い去った。
「……あ」私のジョッキが。
主任が愉しげに笑う。
「三春ちゃん、いい飲みっぷりだねえ。若いのに感心感心」