僕からの溺愛特等席
「主任、煽っちゃダメですよ。
野間さんこれを危惧していつも飲み会に参加しないんですから」
佐原さんが宥めるような口調で、主任に言った。
「なぜか、珍しく今日は来てくれたけど」
「えっ! そうなんですか!?」華ちゃんが声をあげ、ぱっと私の方を向いた。
そして、グラグラと肩を揺すられた。
「それ、なんで言ってくれないのー! そんなんだったら無理に誘わなかったのに」
「たまには顔だした方がいいと思ってたから」
それよりも、私のジョッキ………。
「ああ、ダメダメ。手伸ばさない。お酒はもう終わり」
「ええー。だめ?」華ちゃんにもたれかかって聞く。
「可愛く言ってもダメ〜」
「けち」
「お酒飲んだら別人だね野間さん」佐原さんが軽快に笑った。