僕からの溺愛特等席
「こんなつもりじゃなかったけど、もう言いますよ」
不本意そうな糸くんのカミングアウトにドキッと心臓が脈を打った。
「なに、を……?」声が掠れる。
「僕────野間さんのことが好きです」
彼は続けて話す。
「もっといい仲になってから言おうと思ってたんですけど、そんなこと言ってるうちに後悔する気がしたので言っておきます」
「……え」
素直に嬉しい気持ちと、戸惑って言葉が出なくて私は黙ってしまう。
「……あの、いつから?」
一つだけ質問し聞き手に徹した、というよりはただ放心している私に向かって
「いつからかって聞かれたら、大学のサークルで会った時からだし。
気づいた時には目で追ってました」と噛みつくように言葉を紡いでいく。
糸くんが私の事をすき………。