愛を孕む~御曹司の迸る激情~
第3章
_波乱の出張
「須崎、イベント何時から?」
「3時開場です。」
「よし、じゃあ余裕だな。」
新大阪駅へ向かう新幹線の車内。後ろの席からは、淡々としたそんな会話が聞こえてきた。
足を組みながら書類に目を通す成宮さんと、タブレット片手にそう言う須崎くん。
私が今、どうしてこんな状況になっているのかというと。それは、1週間前に遡る。
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季節は、秋。11月に入り、葉も赤く色づいてきた頃。
「蕪木、ちょっと。」
「はい。」
いつも通り新規事業部で仕事をしていると、突然成宮さんに呼ばれ、彼のデスクに行った。
すると、私の目をじっと見ながら苦笑いを浮かべる成宮さん。
「仕事、順調??」
唐突にそう言ってきた。
「え?あ、はい。」
「今、緊急で抱えてるのとかは?」
「いえ、特には....」
私は要点のつかめない話に戸惑い首を傾げると、頭をかきながら言いづらそうに言った。
「うーん。そしたらさあ....」
そして、その後に続いた言葉に私は衝撃を受けた。